企業の政府渉外は「人脈の切り売り」ではない──freeeに学ぶGR人材のリアルな仕事(後編)

企業の政府渉外は「人脈の切り売り」ではない──freeeに学ぶGR人材のリアルな仕事(後編)

話し手 小泉美果(フリー株式会社 スモールビジネス総合研究所所長 / 金融渉外部長 / プロダクトマネージャー、慶應義塾大学SFC 特別招聘講師) 吉井弘和(VOLVE株式会社 代表取締役)

(本記事は後編です。前編中編もぜひご覧ください。)

freeeの政府渉外業務の特殊性──経営者との近さと業界を超えた活動

吉井:ここからは、freeeの政府渉外の特殊性と、今回の求人の魅力について聞かせてください。

小泉:はい。一般的な政府渉外とfreeeの政府渉外がどう違うのか、という観点でお話しできればと思います。

吉井:まずは、本求人の概要を教えて下さい。

小泉:現在、「【社会インフラ戦略担当室】Public Affairsスペシャリスト」というポジション名で、政府渉外(GR; Government Relations)担当をまさに募集しています。freeeでは、ミッションとして「スモールビジネスを、世界の主役に。」を掲げていて、プロダクトを進化させるだけでなく、法律や慣行も含めて環境を変えていくことで、スモールビジネスを取り巻く状況を良くしていく、というのが政府渉外チームの大きな役割です。

吉井:まさに、今日お話をしてきた業務をされる方ですね。

小泉:はい。ただし、「政府内の人脈や業界ルールの知識は入社後にチームでサポートできるので必須ではない」という点も重要です。Public Policyの視点から社会を変えたいという思いを持ちつつ、顧客理解・ビジネス理解・プロダクト理解に基づいて調査や企画を進められることを重視しています。

経営者との距離が圧倒的に近い

吉井:ありがとうございます。ずばり、このポジションの魅力は何でしょうか?

小泉:一番大きいのは、経営者との距離がめちゃくちゃ近いということだと思います。

吉井:代表の佐々木さんですね。

小泉:はい。佐々木が「社会の進化を担う責任感」というのを組織クレドの中心に置いているくらい、社会変化をちゃんと価値のある形でしていきたいという思いが強いんです。だから、ロビイングのように短期的には効果のみえにくい手法であっても、プロダクト開発と同じように理解してサポートしてくれるので、とても動きやすいです。私は佐々木に直接レポートしていますし、普通にDMのグループがあって、そこで気軽に「このニュースってこういう意味かな」みたいなやり取りをしています。

吉井:経営者の発想を学びながら、GRとして事業をどう運営していくべきかを自律的に考える機会があるわけですね。

小泉:そうなんです。だから、さっき話したような行政への情報提供とか、そういうことも理解してもらえる。それから、一緒にスモールビジネスをとりまく制度や商習慣の課題や海外事例の勉強会をして、freeeがコミットすべき社会課題の探索から一緒に取り組んでいます。

吉井:経営者自身が、そこまで勉強するんですか?

小泉:ええ。やっぱり好きなんですよね。freeeのカルチャーをみていただけるとイメージが湧きやすいと思うのですが、私としては公益を追及していい民間企業なんだって解釈しています。そういう経営者と働けるというのは、政府渉外をやる上でめちゃくちゃ魅力的だと思います。

いろんな業界の運営に携われる

吉井:事業領域による特殊性もありますよね。さっき、SaaSや金融の話がありましたが。

小泉:そうですね。それから、freeeの場合は、いろんな業界の運営に携われるというのが大きいかもしれません。

吉井:業界団体の運営、ですか?

小泉:はい。例えばfreeeという会社に閉じずに、業界全体の公共性も考えた運営に携わっています。金融であればFintech協会、電子決済等代行業協会、日本金融サービス仲介業協会に理事として参画したり、医療福祉であればケアテック協会、士業であれば日本プロフェッショナルテック協会などにも加入して活動しています。結局、会計や人事労務などバックオフィスのソフトはどんな業界のプレイヤーにも必要です。デジタル化が進んでいない業界に対して、テクノロジーに理解のある協会を通じてSaaSを広めていく、という活動もしています。

吉井:それって、他のSaaS企業もやっているものなんですか?

小泉:いや、あまりないと思います。GR活動自体、経営層がかなり理解していないとそういうアプローチはできないので。

吉井:なるほど。自社のビジネス戦略に閉じずに、自社の業界だけではなく、顧客の業界を盛り上げていくところまでミッションにできる、ということですね。

小泉:そうです。そういう意味では、専門知識の幅を広げるという面でも、すごく楽しいですよ。

吉井:freeeのプロダクトがコーポレート機能を提供しているからこそ、業界横断的な活動ができるわけですね。

小泉:その通りです。freee独特の動き方だと思います。

働き方の自由度が高い

吉井:働き方や人事制度についても教えてください。

小泉:働き方はすごく自由ですね。育児休業は男性でも全然1年くらい取ったりしますし、私たちのチームメンバーの一人はパートナーが外国人で、年に2回くらい長期休暇を取って海外に帰ったりしています。

吉井:夏休みもしっかり取れるんですか?

小泉:取れます。人によりますけど、1週間は当たり前ですし、海外旅行で2週間も全然あります。有給も、みんなしっかり消化しています。それから病気休暇も充実していて、有給とは別に取得できる運用なんです。

吉井:それがきちんと運用されているということは素晴らしいですね。

小泉:はい。制度的には当たり前かもしれませんが、実際の運用では病休は使いづらい企業もあると思いますが、freeeでは病気だったらゆっくり病気休暇を使って休んで、それとは別に有給でいっぱい遊ぶ、ということができています。

吉井:出社はフル出社でしたね。

小泉:はい。ただ、フレックス制でコアタイムはありますが、子供が風邪を引いたなどの事情があれば柔軟にリモートワークと物理出社の併用をしたり、育児介護中のリモート就業の制度もあります。福利厚生は充実していると思います。
https://jobs.freee.co.jp/environment/benefit/

人事評価は3ヶ月ごと、リアルタイムフィードバック

吉井:人事評価はどうですか?

小泉:人事評価はめちゃくちゃ真面目に運用していて、こんなにリソースをかけるのか、というくらい評価に投資しているんですよ。3ヶ月ごとにやっていて。

吉井:3ヶ月ごと!それは多いですね。

小泉:マネージャーは結構大変です。でも、目標を設定する時から、この3ヶ月はここまで目指そうね、業績目標もスキルアップの目標も含めて言語化してマネージャーとメンバーで個別に設定していて、週1の1on1で常にフィードバックしています。ここはやっぱりできていないよね、とか、ここはちょっとシフトしようか、とか。調整しながらやるので、最終評価でサプライズということは起きにくいです。

吉井:リアルタイムでフィードバックしながら進めていくんですね。素晴らしいです。

小泉:霞が関の評価制度とは大分異なるので最初はカルチャーショックはあるかもしれませんが、スキルアップのためにはかなり魅力的だと思います。

キャリアの自由度──政府渉外に閉じない

小泉:それから、キャリアの自由度も高いです。社内での手上げ公募の制度もありますし、マネージャーとの距離がすごく近いので、次にこういうのにチャレンジしたらいいんじゃない、という提案もあるし、メンバーから次はこういうことやりたいです、という相談も双方向でできます。そこはもう、全然GR(政府渉外)に閉じずに、という感じです。

吉井:よく言われるような、マネージャーが優秀な部下を囲い込む、みたいなことは起きないんですか?

小泉:起きないですね。囲うほど人がいないですし(笑)、今って囲っても、飽きたなと思ったらすぐやめちゃうので。やっぱり挑戦し続けられる環境を作ることで、魅力的な職場にしたいと思います。

吉井:マネージャーが違うファンクションにつないであげる、ということもあるんですね。

小泉:そうです。

まとめ──政府渉外は、社会を変える仕事

吉井:今日は本当にありがとうございました。政府渉外の仕事が、単なる「人脈の切り売り」ではなく、高度に専門的で、しかもキャリアの広がりもある仕事だということがよく分かりました。

小泉:こちらこそ、ありがとうございました。

吉井:特にfreeeの場合は、経営者の理解があって、業界横断的な活動ができて、働き方も柔軟で、評価制度も充実している。霞が関にいる方々にとって、すごく魅力的な選択肢だと思います。

小泉:そうですね。私自身、霞が関から民間に来て、政府渉外という仕事の可能性の広さに驚きました。単に制度を変えるだけじゃなくて、業界を育て、社会を変えていく。そういう仕事ができるのが、民間の政府渉外なんだと思います。

吉井:「社会の進化を担う責任感」というfreeeの組織クレドが、まさに体現されているわけですね。

小泉:はい。霞が関にいる方々に、政府渉外という選択肢の魅力が伝わればうれしいです。

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